今日はドッグビヘイビアリスト田中雅織先生のセミナーに参加するため、その会場となっている埼玉県吉川市の「犬の幼稚園&サロンるー。吉川美南校」にやってきました。
埼玉でのセミナーは初開催。先月の茨城セミナーに続いて、今回で6回目のセミナー参加となります。
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駐車場は最寄りのコインパーキングを利用しました。24時間で300円、とてもリーズナブルな料金設定でした。
駐車場から150mほど歩いて会場に到着。こちらが今回の会場となる「犬の幼稚園&サロンるー。吉川美南校」です。
この日は渋滞している箇所が多かったこともあり、我が家は開始10分前くらい到着。すでに他の参加者の皆さんは会場内に集まっていました。
アウトドア用のチェアーを演台の正面に設置して、チャッピーとクロエもスタンバイオーケー。
今回は「健全な飼い主とはなにか」というテーマ。鴨川セミナーで初めて参加した時と同じテーマでしたが、改めて受講したことになります。
セミナーの様子。事前に資料を印刷して予習をしている人もいて、皆さん真剣に話を聞いていました。
※るー。園長さん(@lew_encho)から引用させていただきました。
お昼のお弁当は「焼き鳥つくね弁当」。なかなかボリュームもあって美味しかったです。
※るー。園長さん(@lew_encho)から引用させていただきました。
チャッピーとクロエも持参した鶏肉のボイルでランチタイム。
こちらは群馬県桐生市のドッグラン施設「FORESTRIP」さんに撮っていただいた写真。チャッピーもクロエもカメラを向けるといつもこんな表情で悲しくなりますね。
適宜休憩を取りながら、11時から17時までみっちりお話を聞くことができました。
セミナー中はずっと大人しくしてくれていたチャッピーとクロエ。「まつぶし緑の丘公園」でお散歩をしてから帰宅しました。
今回のセミナーは初めて受講した時と同じテーマでしたが、ほとんど忘れていたこともあって、改めて勉強し直すことができた気がしました。
セミナー題目:健全な飼い主とはなにか
1.飼い主としての心構え
・飼うから暮らすへ
・服従から愛へ
・人間の社会で生きるために -社会化-
2.犬を理解する
・犬の基本的な習性を理解する
・強制から協調へ
・犬の仕草と行動の意味
3.間違った飼い方を正す
・日常のしつけのNG行動
・不要なしつけ
・ライフスタイルとストレス
4.強制訓練の副作用
・服従を強いるとどうなるか
・犬の精神病
・問題行動への行動療法
・事例紹介
以下、今回のセミナーについての感想です。(あくまで僕自身の解釈によるものですので、間違っている部分もあるかもしれません。)
また、他の関連ブログも参考にしてください。
第一章 飼い主としての心構え
<飼うから暮らすへ>
昔は犬といえば家の外で飼うことがほとんどで、番犬としての役割も担っていました。その反面、犬と飼い主が触れ合う時間も少なかったので、犬の問題行動や体調の変化も見落とされがちで、その結果として昔の犬は短命でした。
近年はその逆で、犬と飼い主が触れ合う時間も増え、犬の問題行動が表面化しやすくなったこともあり、より優良なコミュニケーションが求められるようになってきました。
犬と飼い主とのあいだでコミュニケーションがうまくいかないと、問題行動や分離不安などが起こりやすく、一緒に暮らすことも困難になり、最悪の場合は飼育放棄や殺処分へと至ってしまうことになります。
犬の問題行動は犬自身の責任ではなく飼い主の責任。人も犬も一緒に学習して、一緒に行動を変えていくことが大切となります。
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保護犬の数や殺処分の数については環境省から毎年報告されているようで、例えば平成30年の報告だと、保健所に引き取られた保護犬は「35,535頭」で、そのうち殺処分となったのは「7,687頭」だったそうです。
引き取られた保護犬の9割が所有者不明で、捨てられたり迷子になって保護された犬のようです。残りの1割は飼い主が直接保健所へ持ち込んで来るケース。飼い主の家族全員が精神障害を患ってしまい飼育が困難となり、やむを得ず持ち込んできたケースもあったそうです。
このようなやむを得ないケースもあるため、ヨーロッパ等のペット先進国でも保護施設(シェルター)はきちんと存在しているそうです。
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全国の犬猫の引き取り数の推移グラフについて(昭和49年~平成30年)。日本も保護施設を法人化しやすくなったこともあって、保健所へ引き取られる保護犬の数も年々減少していて、昭和49年と比べると格段に減っていました。
しかし、この数年はコロナ禍でペットブームが再来したこともあって、また少し増加する可能性も危惧されているそうです。こういうケースの場合、人気犬種のトイプードルやミニチュアダックスフンドなどが、人気に比例して保護犬の多い犬種になってしまうようです。
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全国の犬猫の返還譲渡数の推移グラフについて(昭和49年~平成30年)。犬の返還譲渡数については横ばいでほとんど変化なし。保護犬を受け入れる人の割合は、40数年前からあまり変わっていないのかもしれません。
2022年6月に改正動物愛護管理法が施行されたことにより、犬や猫にマイクロチップの装着を義務づけられることになりました。これによりグラフの推移が今後どのように変わっていくのか、良い方向へ変わっていって欲しいですね。
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この改正動物愛護管理法ですが、業者と新たに迎え入れる飼い主に対しては義務化されていますが、施行前にすでに飼っている犬・飼い主に対しては努力義務となっています。
先生のお話ではマイクロチップの問題点を指摘されていて、一つはチップの材質に発症率1%の発がん性物質が含まれていること。発症率1%というのは医学的には高い確率とのことです。
もう一つはマイクロチップを挿入する獣医師のスキルの問題。マイクロチップは肩のあたりに注射器で取り付けるのですが、じっとしてくれない犬を相手にチップを挿入するには十分な経験や技術が必要で、神経や筋肉を傷つけてしまうリスクもあるそうです。
こうして動物愛護の一環として始まったマイクロチップの義務化ですが、先生のお話では「動物愛護」というと個人の主観や価値観といったものが入ってしまうため、「動物福祉」という科学的な観点で取り組んでいく方がよいのではないかとのことでした。
ちなみに先生のアイデアとして、マイクロチップよりも人間の指紋に相当する「鼻紋」を登録する方が身体へのリスクも無いので良いのではと言われていました。
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日本ではペットショップで犬を迎え入れることがほとんどで、これは世界的に見ても日本独特のものだそうです。そもそもペットショップはアメリカから入ってきたビジネスモデルだそうで、禁酒法で酒が作れなかった時代に、酒蔵で犬の繁殖をビジネスとして始めたのがきっかけだそうです。
ペットショップの場合、パピーミルからオークションを経てペットショップへと流通する仕組みとなっています。この場合、パピーミルにおける親犬の高ストレスな飼育環境や親犬からの早期の引き渡しなどが原因で、子犬の脳の発達に大きな影響を与えること(低発育)が分かっていて、解剖学的なエビデンスもたくさんあるそうです。
例えば、感情・趣向・記憶を司る偏桃体に影響があれば、食べ物以外のモノも見境なく口に入れて食べるようになったり、記憶・空間学習能力を司る海馬に影響があれば、車の運転を習得できなかったり、といった具合です。
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ペットショップ以外には、ブリーダーから犬を迎え入れる方法もあります。この場合の問題点としては、ブリーダーの質にバラツキがあることや、変なこだわり(去勢などの条件指定、ブランド志向)を持っていること等があります。
一方で、親犬や兄弟犬と暮らせる期間を十分に取れるので、子犬が健全に発達できるというメリットがあります。その結果、コミュニケーション能力が向上し、情緒の安定、知能の向上にもつながっていきます。
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外飼いから室内飼いへ生活様式が変化してきたことにより、犬の問題行動が人間の生活に影響を及ぼすようになりました。例えば、飼い主を噛むので触ることも手入れをすることもできない、トイレの近くに犬がいると飼い主がトイレに行けない等。こうした状況になると、人も犬も高ストレスの生活を強いられてしまいます。
また、分離不安障害、常同障害などの精神障害に至ってしまうと、抗うつ剤などの薬物治療が必要になってしまいます。
しかしながら、ストレスの全くない生活というのは現実にはあり得ないため、ストレスに対する耐性を高めて、ストレスをなるべく軽減できるようにして、問題行動を予防したり治療したりすることになります。
そのためには、まず問題の原因(動機)を探り、その動機にアプローチして、絶対的な安心感と信頼関係のもとでコミュニケーションを取っていくことになります。
ここで大切なのは安心感と信頼関係であって、服従や主従関係ではないということです。
第一章 飼い主としての心構え
<服従から愛へ>
動物の感情(情動)は現在も解明されていないそうですが、犬と人とのあいだで安心感と信頼関係を築く上では、感情(情動)というものを少しでも理解しておくと良いようです。
ちなみに「情動」というのは、厳密に言うと「感情」とは異なります。「感情」は喜怒哀楽を主観的な側面でとらえたもので、本人しかその感情は分かりません。一方、「情動」はその喜怒哀楽の感情に伴って心拍数の上昇が見られたり、表情や筋肉の緊張の変化が見られたりする等、感情が生じている時に見られる客観的な側面のことを指す用語だそうです。
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基本的な感情(純粋感情)には、喜び、信頼、恐れ、驚きなど、8つの基本感情があり、これら基本感情の関係性について「プルチックの感情の輪」という図を用いて説明していただきました。
8つの基本感情はそれぞれ対になる関係性があり、対になっている感情には移行しづらいとのこと。例えば、悲しんでいる時には喜びの感情は現れにくく、嫌悪を抱いている時には信頼の感情は起きにくいといった具合です。
そして、この基本感情を「一次感情」とした時に、隣り合う一次感情の組み合わせによって生まれる混合感情を「二次感情」といい、「喜び+信頼→愛」とか「恐れ+信頼→服従」といったものがあります。犬の場合は、軽蔑と後悔以外の二次感情は認められるそうです。
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犬の基本感情について見た場合、ポジティブな基本感情は「喜び・信頼」の2つ、中立も「驚き・期待(予期)」の2つ。そして、ネガティブな基本感情は「恐れ・悲しみ・嫌悪・怒り」の4つ。こうしてみると、ネガティブな反応が起こりやすいということが分かります。
人も同じですが、犬もネガティブな出来事には敏感なので、何をするにしても決して無理強いはしないこと。喜び・信頼というポジティブな感情のもとで、犬と人がチカラを合わせて信頼関係を築いていくことが大切ということですね。
第一章 飼い主としての心構え
<人間の社会で生きるために -社会化->
犬は本来、人間社会には適応していませんが、高い学習能力と適応力があるため、しっかりと社会化を身につけさせれば適応できるようになります。
社会化が不足していると、攻撃行動や分離不安障害などの問題行動が現れてしまうので、子犬からの社会化がベスト。成犬からの再社会化も可能ですが、子犬からの社会化と同等な社会化を身につけることは難しく、時間もかかってしまうそうです。(短くても3ヶ月くらい。)
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社会化のメカニズムについては、第一社会化期と第二社会化期、恐怖期という内容に分けて説明していただきました。今回のセミナーは浅く広く内容を紹介するテーマでしたので、社会化については前回のセミナーの方が詳しく説明して頂きました。前回のセミナーの内容については、こちらを参照してください。
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ワクチンと社会化のジレンマについての話。第一社会化期(生後3ヶ月まで)の期間というのは、3回目のワクチン接種がまだ終わっていないため、日本では獣医師などの指導によって社会化不足に陥るケースが多いようです。
このジレンマについては1970年代から分かっていることだそうで、海外ではパピーパーティへ強制的に参加させられるとのこと。アメリカの場合は、8週齢からパピーパーティに参加することになっているそうです。
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子犬のうちに第一社会化期と第二社会化期を経験させることができず、成犬から社会化させる場合は、心理療法によって再社会化がなされます。心理療法の代表的な方法として「系統的脱感作」と「拮抗条件づけ」を紹介いただきました。
拮抗条件づけについては、昨年の東京オリンピックを例としたお話がとても分かりやすくて面白かったです。開催前は反対意見が7割だったそうですが、いざ開催してみると選手達の活躍やメダル獲得に感動するなど(快刺激)したことで、開催後は賛成意見が7割に転じたそうです。
この社会化のお話で印象に残ったのは、先生の「社会化は心のワクチン」という言葉。社会化は人と犬が心穏やかに過ごすために必要なことなんだと思いました。
第二章 犬を理解する
<犬の基本的な習性を理解する>
犬の基本的な習性には、防衛本能、狩猟本能、生殖本能、学習能力などがあって人間とあまり変わりません。この中でも学習能力というものが、社会化や人との信頼関係を築く上でとても大切な部分になります。
では、そもそも「学習」とは何なのかというと、経験によって思考や行動を変化させ、それを身につけるということ。学習の過程においては感情が伴うというのがポイントで、抱く感情の違い(快感、不快感)が行動の変化にも影響して、それが学習・記憶へとつながります。
楽しい、嬉しい、心地よい等のポジティブな感情が伴った場合は行動の頻度が高まります(強化)。この時、脳内の神経伝達物質(ホルモン)としては、ドーパミン、セロトニン、オキシトシンなどが分泌されます。
その反対に、怖い、痛い、不安、不快などのネガティブな感情が伴った場合は行動の頻度が下がります(弱化)。この時、脳内の神経伝達物質(ホルモン)としては、コルチゾール、ノルアドレナリンなどが分泌されます。
この話に関連した行動療法の例として、子供の壁の落書きを止めさせる事例で分かりやすく説明して頂きました。
第二章 犬を理解する
<強制から協調へ>
犬には人と同じように学習能力があり、ポジティブな感情によって強化できるのであれば、無理に強制するようなことをしなくても、人と犬が互いに協力し合って学習していくことが可能ということになります。
そのためにも飼い主は犬の習性などを理解し、飼い主が望む行動を犬が好むように誘導していき、それを新しい行動として学習させる、というスキルが飼い主の方に求められることになります。
そうすることで、犬は飼い主に対してポジティブな感情を抱くようになり、さらには家族意識が生まれ、絆が作られるようにもなります。
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人と犬が互いに協力し合って学習するためには、コミュニケーションが必要となってきます。コミュニケーションを成立させるためには、人と犬が互いに情報をやり取りすることが必要なので、人にとっては犬からのメッセージを読み取るスキル、そして犬にとって分かりやすく伝えるスキルを身につける必要があります。
犬からのメッセージを読み取るスキルとしては、ボディランゲージの洞察力、そして、犬にとって分かりやすく伝えるスキルとしては、ボディランゲージと条件づけ学習が挙げられます。
第二章 犬を理解する
<犬の仕草と行動の意味>
犬のボディランゲージをどう読み取るか?一つは、目や耳、口元などの「表情」、もう一つは姿勢、動きなどの「仕草」が挙げられます。
ただし実際には、行動が起こるまでの流れと結果(文脈)をふまえて、表情と仕草を読み取る必要があります。
セミナーでは、ボディランゲージの例として、いくつか写真を紹介しながら説明をしていただきました。
他にも、回避(不快感)、緊張感、接近(ポジティブ)、威嚇、防御的攻撃、攻撃といった場合の代表的な表情・仕草も教えていただきました。
第三章 間違った飼い方を正す
<日常のしつけのNG行動>
これまで多くの人が行なってきた躾けには間違ったものもあるという話。例えば、飼い主をボスだと分からせる、といった躾けは、かつてオオカミの支配性理論が正しいとされていた頃のことで、今ではこの支配性理論も否定されています。
他には、望ましくない行動を止めさせる時に、音で驚かせたり、恐怖や痛みを与えたりする方法も良くない。この行為自体が虐待へとつながり、やがて分離不安や攻撃性、過剰な吠えや興奮に至ってしまうことなります。
第三章 間違った飼い方を正す
<不要なしつけ>
何の根拠も意味もない不要な躾けというのも紹介していただきました。高い所に上げない、何をするにも飼い主が先、などは、躾けの本によく紹介されている内容で、今も多くの人が勘違いしているのではと感じました。
ご飯を目の前に差し出してからの「マテ」や「ヨシ」も意味がないとのこと。これは一番多くの人がやっていることではないかと思いました。
第三章 間違った飼い方を正す
<ライフスタイルとストレス>
第一章で、日常生活においてストレスは避けられないという話がありました。ここではもう少し掘り下げて説明して頂きました。
日常生活においてストレスの原因となるものは、例えば、過度な運動、運動不足、病院、トリミング、孤独など様々なことが挙げられます。このストレスが怖いのは、免疫を弱めてしまうという点。健康面に影響を及ぼしてしまうというのが怖いところです。
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ストレスを受け続けた際に起こる適応反応の変化は、その経過時間とストレス適応状態によって「警告反応期、抵抗期、疲はい期」の3つの時期に分けられ、汎適応性症候群(GAS)と呼ばれています。
このGASによれば、ストレスを受けることによって最初はそのストレスへの抵抗力を高めて適応しようとします(警告反応期~抵抗期)。抵抗期までにストレスの原因が取り除かれれば回復できますが、そうでない場合、やがて抵抗力を失って様々な病気、精神障害を患い、最悪の場合は死に至る(疲はい期)ということになります。
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ストレス反応には3つの分類があり、それぞれ「心理的反応、行動的反応、身体的反応」と分類されています。
心理的反応は感情として現れる反応で、さらに無気力やうつ状態へと移行していきます。
行動的反応は集中力や意欲の低下、不眠などとして現れる反応。
そして、身体的反応は血圧や心拍数の変化、発汗などとして現れる反応で、さらに頭痛や肩こり、めまい、胃痛などの症状へと移行します。
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先生のお話では、長期のストレスに晒されると免疫能力を下げるだけでなく、脳の海馬も萎縮させてしまうとのこと。海馬が委縮すると、学習能力の低下、アルツハイマー、発達障害、うつ病などを引き起こしてしまうそうです。
そう考えると、たかが運動不足や欲求発散不足などと軽く考えてはいけないわけで、そういった日常のストレスが長期に渡って続けられることは、心身ともに悪影響だということがよく分かりました。
第四章 強制訓練の副作用
<服従を強いるとどうなるか>
犬の躾けやトレーニングにおいて、服従や罰、無理強いなどはストレスとなってしまうため、学習効率も信頼関係も低下してしまいます。
人と犬が互いに協力し合うこと、犬の都合や気持ちを考えることが第一で、人間側の都合や勝手な思い込みを押し付けてはいけません。
望ましくない行動をした時に罰を与えたり、叱ったりすることは逆効果で、犬は不快な思いをするだけ。そもそも犬の方は飼い主が何をして欲しいのか分からない、正解を知らないわけで、それをきちんと伝えきれていない飼い主の方に改善点があるわけですね。
犬の気持ちも考えずに人間の都合で強制ばかり続けていると、犬にとっては抗えない強いストレスを長期に受け続けることになり、やがて無力化してしまうことになります。
学習する中で嫌いなものが増えていき、不安症、恐怖症、攻撃行動の増加など心身にも悪影響となります。
第四章 強制訓練の副作用
<犬の精神病>
不幸にも精神障害に至ってしまった場合の症状について説明していただきました。
同じ行動をひたすら繰り返す常同行動や強迫性障害、他には学習性無力感、不安症、自閉症様行動など。
攻撃性の増加などは、人にも危害を加える問題行動となってしまいます。
第四章 強制訓練の副作用
<問題行動への行動療法>
重い精神障害に至ってしまった場合は、抗うつ剤などの薬を用いた医療で治療をしていかなければなりませんが、そうでない場合は行動療法を用いた問題行動へのアプローチが有効となります。
ポイントは2つあり、一つ目は「自律神経の改善」。具体的には、適度な運動、規則正しい生活、バランスの取れた食事などが挙げられます。
二つ目は「生活環境の改善」。自宅の生活空間や日常の行動範囲において、十分なスペースを取って、ストレス要因を無くしていくことが必要です。
この2つのポイントに気をつけることで、自律神経が整えられ、思考・情緒の安定がもたらされることになります。
そして、もう一つの行動療法は学習理論の応用。望ましくない問題行動を学習理論を用いて、新しい行動へと変えていく方法です。これには系統的脱感作、拮抗条件づけ、分化強化などがあり、そのケースに応じて適切な方法が取られます。
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最後に事例紹介の動画を見せていただきました。内容はInstagramなどでも紹介されていたジャーマンシェパードの攻撃行動の行動変容の様子。他犬に対して攻撃行動を示していたジャーマンシェパードがたった15分で見違えるように変化していく様子が見られました。
とても長くなりましたが、今回のセミナーのまとめは以上です。
明日は初めてのドッグミーティング。ちょっと緊張しますが、飼い主として頑張りたいと思います。
犬の幼稚園&サロン るー。(吉川美南校)
住所 埼玉県吉川市美南5-29-11
電話番号 048-973-7100
受付時間 9:00~18:00
定休日 毎週火曜日
※掲載時の情報のため、ホームページや電話にて最新情報を確認してください。
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