今回はちょっと油断して自宅を7時40分に出発したところ、セミナー開始10分前の10時50分にギリギリ到着しました。
今回も、nane姉妹が一緒に参加です。
こちらがセミナー会場内の様子です。
海はとても綺麗でしたが、所々に台風の爪あとが残っているのを感じました。
ワークショップはインクラビットさんの新設ドッグランを利用しました。
今回のテーマは「他では聞けない犬育てのキホン with ワークショップ」でした。
以下、セミナー案内公式HPからテーマのみ引用します。
1.スタートライン
・犬という動物について
・理想的な迎え入れ方
・社会化の重要性について
2.犬のしつけのアレコレ
・ケージは必要か?
・姿勢を強制するのはアリ?
・支配?服従?低QOLの狼から得られた主従関係の理屈
3.日常のアレコレ
・留守番は何時間まで?
・散歩はどれくらい行くべきか
・散歩の重要性と散歩の道具
4.犬の成長と社会化
・病院やトリミングサロンに慣らす時期
・避妊去勢の時期
・ハズバンダリートレーニング
5.ワークショップ・質疑応答
今回のセミナーに参加したことで、犬という動物の習性や特徴について理解が深まりましたし、犬に関する様々なことが海外に比べて相当遅れていることを痛感しました。
以下、今回のセミナーについて少し細かく感想を書きますが、僕自身が勝手に理解した内容も含まれていますので、勘違いしている部分もあるかもしれません。そのつもりで読んでください。また、2019年10月22日にALLONE八王子動物医療センターにて開催されたヴィベケ・リーセ先生の市民講座に参加した時の感想もほんの少しだけふまえています。
まず第一章では、犬という動物について学びました。犬の祖先はオオカミというのが昔から言われていますが、オオカミと共通の祖先を持つという見方も出てきているようです。DNAはオオカミと99.96%も一致するそうで、交配も可能だそうです。そういえば、オオカミとの交配でムツゴロウ(畑正憲)さんの話を思い出しましたが、少しでもオオカミの血が混ざっている犬は人間と暮らさずに野生へ帰ってしまうそうで、結果的に純粋な犬だけが人間のそばに残ってしまうのだそうです。
また、犬の習性ついてもオオカミと共通する部分を持っているそうです。群れを形成して、互いに助け合いながら協力して生きていくという習性。犬の場合はこの群れの中に人間も含まれるということなのでしょう。また、コミュニケーション能力や学習能力が高く、環境への適応が早いのも特徴とのことで、人間とともに暮らしていく上でも有利な特徴なのだと思いました。
つづいて、犬を家族として迎え入れるための理想的な考え方について説明していただきました。迎え入れる犬はほとんどの場合、仔犬であればブリーダー、保護犬であれば保護団体から探すということになりますが、特に保護犬の場合は様々な事情を抱えているので問題行動を有している場合も考慮すべきとのことでした。
ブリーダーや保護団体を選ぶ際には、慎重に検討することが飼い主側にも必要とのことです。良いブリーダーや保護団体かどうかを判断する基準として、飼い主の飼育環境を厳しく確認したり、適切な月齢での引き渡ししか応じなかったり、むやみに金銭の話をしてこない等、いくつかの判断基準を説明していただきました。
また、仔犬と保護犬とでは迎え入れ方が異なるようで、それぞれの迎え入れ方について説明をしていただきました。
仔犬の場合はまず生後8~12週で引き渡されることが大切で、前回のセミナーでも話があったように8週齢までは親元で兄弟犬と暮らして必要なことを学んでおくことが重要だということと、なおかつ第一社会化期を過ぎないようにということの2つの意味があります。そして、仔犬が快適に暮らせる環境作りとして、具体的な項目を挙げて説明していただきました。また、仔犬の時には多少の家具の破壊や排泄ミスは大目に見てあげましょうとのことでした。ちなみに家具については、ニトリのNシールドという素材を使ったソファーがオススメで、犬が引っ掻いても破けず丈夫なのだそうです。
保護犬の場合は、怖がっている犬とそうでない犬とで、家への迎え入れ方が異なることを説明していただきました。特に怖がっている犬の場合は「話しかけない、目を見ない、触らない」が重要なようでした。しかし、怖がっていない犬の場合でも適度な距離は置いた方がよいそうで、それが分離不安の防止にもつながるそうです。
無事に犬を迎え入れても、日々暮らしているうちに問題行動を起こすようになってしまっては、犬にも飼い主にも良いことはありません。そのため、犬の社会化というのがとても重要になってきます。
そもそも問題行動がなぜ良くないかというと、犬に対して高いストレスを与えてしまうため、免疫の低下、常同行動、精神障害などといった健康への悪影響につながるからです。
問題行動には、過剰な吠え、引っ張り、興奮過多、攻撃性、分離不安症などがありますが、これらは社会化をしっかり身につけることで予防することが可能なのだそうです。
リーセ先生が講演で「犬に社会化と知的な刺激を与えることで、犬の精神面での健康を保ちましょう。」を言われていたことを思い出しました。
第一社会化期と第二社会化期、恐怖期については、前回と同様の説明をしていただきましたが、今回のように再度あらためて説明していただくと、理解がより深まった気がしました。特に第一社会化期に身につける「犬同士のコミュニケーション能力、感受性の鈍感化、環境への慣れ」というのが、人間社会で犬が生きていく上でとても重要だということを再認識しました。
第二章では、犬のしつけに関することについて学びました。最初のケージについての話は僕自身も気になっていたこともあり、とても参考になりました。我が家ではトイレがケージの中にあり、留守番中はケージの中で留守番させています。今回の話を参考にして我が家もケージとトイレを見直してみようと思いました。
つづいて、犬に姿勢を強制してはいけないという話。体を無理に押さえつけたり、殴る蹴るなどの暴力は、飼い主との信頼関係を悪化させることにもなりますし、攻撃性や不安の増加など犬自身にも悪影響になるということです。
そういえばスウェーデン式マッサージを受けた時、特にチャッピーは仰向けにさせられるのを極度に嫌い、マッサージの先生も根負けして仰向け以外の施術をしていたのを思い出しました。今思えばチャッピーには申し訳ないことをしたと思います。そんなチャッピーもリラックス時は自分から仰向けになることもよくあり、その時はお腹をさすってあげています。
リーセ先生の講演でも「愛と理解、そして敬意をもって接しましょう。決して怒鳴ったり叩いたりしないこと。」と言われていました。犬の習性や特徴を理解し、愛情を注ぎ、犬の尊厳や意思に対して敬意を払うことがとても大切なのですね。
第三章では、留守番と散歩に関することについて学びました。まず留守番について。犬はもともと群れを形成して暮らす動物なので留守番が苦手なのだそうです。欧州などでは5~6時間までと法律で定められているほど。しかし、べったりと過保護にするのも良くないそうで、分離不安を招くことにもなりかねないようです。犬と飼い主との間である程度の距離感を保ち、自立心を育てたり、留守番の練習をしたりすることが大切なのだと思います。人間にもパーソナルスペースというのがあるように、犬にとって快適な距離感を保つことが大切なのだろうと思いました。
散歩に関する話では、今回は散歩の仕方などの内容ではなく、なぜ犬にとって散歩が必要なのかを犬の習性や特徴などから説明する内容でした。犬にとって散歩というのは肉体的な健康維持だけでなく、精神的な健康(ストレス軽減、情緒の安定)にも効果があることを説明していただきました。また、散歩をすることで飼い主との信頼関係を強くするという説明をしていただきました。
そのあと散歩の道具について説明がありました。先生は首輪よりもハーネスがオススメとのことでした。理由はハーネスの方が身体へのダメージが少ないということと、首輪を使わなくても犬をコントロールすることは可能だからということだったと思います。我が家の場合は、チャッピーが昨年のペットドッグで気管虚脱を指摘された時から、ずっとハーネスを使用しています。
そして、先生オススメのハーネスとリードを紹介していただきました。特にハーネスの方は背中と胸の2か所にリードを取り付けられるもので、胸側にリードを取り付けた場合は引っ張り防止の効果もあるということで、我が家のクロエにも使ってみたいと思いました。
第四章では、犬の成長と社会化について学びました。犬の成長の過程を「新生子期、移行期、社会化期、若齢期、思春期」に分けて、各成長過程における発育の状態とその時期に経験することについて詳しく説明していただきました。思春期の時期には、人間と同じように反抗期があるということも教えていただきました。反抗期の時はあまり厳しいトレーニングはしない方がよいそうで、飼い主の側が辛抱強く接することが大切なのだそうです。
また、トリミングサロンや病院などは犬の健康維持や病気怪我のためにも必要なので、通うのが嫌いになったり攻撃的になったりしないように、生後8週齢あたりから慣らしておくと良いそうです。
そして、避妊去勢に関する話。欧州ではあまり避妊去勢の手術をしないそうですが、日本では9割以上が手術しているそうです。避妊去勢は絶対に必要というわけではないそうですが、手術するならば成長が終わるまで待った方が良く、早期の手術はリスクが多いとのことでした。我が家のチャッピーとクロエは生後6か月で手術したので、もっと早く先生に出会っていたらと後悔するばかりです。
つづいて、避妊去勢のメリットとデメリットについて日本と海外の獣医師の意見の違いを教えていただきました。特にデメリットについての海外の獣医師の意見があまりに衝撃的で、犬に関わる様々な業界(繁殖業者、生体販売業者、保護団体、獣医師など)が海外に比べて日本はいかに遅れているかを痛感しました。
最後はワークショップ。インクラビットさんの新設ドッグランで行いました。まずはフォローミーエクササイズ(Follow Me Exercise)というトレーニング。犬が飼い主に集中しながら一緒に歩くトレーニングで、前回教わったベーストレーニングの1つになります。
まずは先生がお手本として、我が家のクロエで実演してくださいました。クロエは最初は集中できずにいましたが、次第に上手に先生の方へ集中するようになっていました。また、方向転換ではリードを引っ張らずに犬を導いていく方法を学びました。
今回のワークショップでは、チャッピーとクロエが先生からとても褒められました。僕ら飼い主も「努力の賜物」と褒めてくださいました。褒められると嬉しいですし、これからも頑張ろうという気持ちになります。きっとチャッピーとクロエも、褒められたら同じような気持ちになるのだろうと思いました。犬を褒めることの大切さを実感しました。
ワークショップの後はセミナー会場に戻って質疑応答。我が家が気になっていたことと同じ質問が出たので、我が家にとっても参考になる内容でした。
今回の内容も盛り沢山でなかなか自分の中で整理しきれていませんが、ひとまず備忘録として残しておきたいと思います。
サーフ&ドッグカフェ インクラビット
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