今日はドッグビヘイビアリスト田中雅織先生のセミナーに参加するため、その会場となっている茨城県筑西市の「バンクフィールド
プラスドッグ」にやってきました。
今回で5回目、2年半ぶりのセミナー参加となります。
すでに駐車場は満車状態だったので、
我が家はこちらのスペースに案内されました。
セミナー開始が少し遅れるということで、しばらく敷地内を散策。
こちらの建物はカフェ。昼食をいただく時の会場です。
カフェの裏手にはドッグランがあります。
敷地内には、色々な花が植えられていました。
とりあえず記念写真。
こちらの建物がセミナー会場です。
会場内は落ち着いた感じの雰囲気。
セミナー開始は11時の予定でしたが、40分遅れでスタート。
セミナー中はチャッピーもクロエも大人しくしていてくれました。
13時頃にカフェの方へ移動して昼食タイム。昼食はあらかじめ用意されたお弁当をいただきました。ハンバーグがとてもボリュームがあり、エビフライも入っていて美味しかったです。
ドリンクはセミナー受付時に選ぶようになっていて、今回はレモネードをいただきました。
カフェに移動した直後は、他の犬に対して興奮してしまったチャッピーとクロエ。食事が終わる頃には落ち着いてくれました。
セミナー終盤、ハズバンダリートレーニングの実演として、ブラッシングに慣れさせるケースを先生が実演することになり、チャッピーにご指名がかかりました。
(※先生のインスタグラムから写真を引用させていただきました。)
飼い主としてはきちんとできるか心配で写真を撮るのも忘れてしまいましたが、なんとか先生に迷惑をかけることなく頑張ってくれました。
今回のセミナーは4回目に受講した内容と同じテーマでしたが、初めて受講した時よりも理解が深まりました。
セミナー題目:今さら聞けない犬育てのキホン
1.スタートライン
・犬という動物について
・理想的な迎え入れ方
・社会化の重要性について
2.犬のしつけのアレコレ
・ケージは必要か?
・姿勢を強制するのはアリ?
・支配?服従?低QOLの狼から得られた主従関係の理屈
3.日常のアレコレ
・留守番は何時間まで?
・散歩はどれくらい行くべきか
・散歩の重要性と散歩の道具
4.犬の成長と社会化
・病院やトリミングサロンに慣らす時期
・避妊去勢の時期
・ハズバンダリートレーニング
以下、今回のセミナーについての感想です。(あくまで僕自身の解釈によるものですので、間違っている部分もあるかもしれません。)
プロローグ・躾けるから育てるへ
犬との向き合い方として、”躾ける”という「人間社会に合わせた立ち振る舞いをさせる、訓練する」といった向き合い方から、”育てる”という「健康的に成長するよう世話をする、能力や資質をのばすように教え導く」といった向き合い方に変えてみては?というお話。
たしかに「躾ける」という言葉は、どこか強制的で厳しさのあるイメージがありますが、共に暮らし(共生)、お互いにとって心豊かな生活ができることが一番望ましいように思いました。
第一章 スタートライン
<犬という動物について>
犬の祖先はオオカミ、もしくはオオカミと共通の祖先とされていて、DNAはオオカミと99.96%一致し、交配も可能とのこと。
学名はオオカミが「Canis lupus」というのに対して、イヌは「Canis lupus
familiaris」といい、この「familiaris」というのはラテン語で「(人間の)家族に属する」という意味だそうです。この学名から見ても、人間との関りが深いことを感じますね。
イヌ科動物には、群れを形成し、互いに助け合いながら協力して生きていくという習性があるそうです。また、コミュニケーション能力が高く、学習能力に優れ、環境への適応が早いとのこと。こうした習性や能力から見ても、お互いに足りない部分を補い合いながら、長い年月をかけて人間と犬は共生してきたのだろうと思いました。
第一章 スタートライン
<理想的な迎え入れ方>
犬を迎え入れる際には、ペットショップではなく、ブリーダーや保護団体から迎え入れるのが理想。ペットショップの仔犬たちは劣悪な環境で繁殖されているケースが多いためオススメしない。
ブリーダーから仔犬を迎え入れる際には、そのブリーダーの飼育環境が健全であること、ブリーダーが求める飼い主の選定基準が厳しいこと、引き渡しの月齢が適切であることが、良いブリーダーを選ぶ際の指標となります。
保護団体から迎え入れる際には、成犬であることが多く、すでに問題を抱えている犬も少なくありません。健全な保護団体を見極めるポイントとしては、活動の実態があるか、トラブルを多く抱えていないか、譲渡を急かしたりしないか、やたらとお金の話をしないか、といった点に注意が必要とのことです。
仔犬を迎え入れる場合、生後8~12週で迎えるのが理想とのこと。その理由は、生後8週までは親元で暮らし、犬同士のコミュニケーション能力を身につけることが大切なため。もうひとつの理由は、第一社会化期を過ぎないようにするということ。
そして、仔犬を迎え入れたら、家の中の環境を整えることが大切。室内の温度管理や飲み水へのアクセスなど、いくつかの項目を紹介していただきました。また、家具の破壊や排泄ミスは大目に見るということ。家具の破壊については、今回もニトリのNシールドという素材を使ったソファーを例にして説明されていました。
一方、保護犬の場合は、怖がっている犬とそうでない犬とで、家への迎え入れ方が異なります。
怖がっている犬の場合、まず最初は「話しかけない、目を見ない、触らない」を徹底することが大切で、犬の方から近づいてくるのを待つようにするのが良いそうです。
怖がっていない犬の場合も、適度な距離を保つようにし、少しづつ環境に慣れてもらうことが大切です。
第一章 スタートライン
<社会化の重要性について>
犬に限らず動物というのは怖がりな生き物。そのため、人間社会の環境に慣れさせて、不安や恐怖から解放し、問題行動を予防するというのが社会化ということになります。
問題行動には、過剰な吠え、引っ張り、興奮過多、攻撃性、分離不安症などがありますが、こうした問題行動は犬に対して高いストレスを与えてしまうため、免疫の低下、常同行動、精神障害などといった健康への悪影響にも繋がります。社会化をしっかり身につけることは、犬の健康面においても大切なことなのです。
犬の社会化においては第一社会化期と第二社会化期があり、出生から生後3ヶ月までの第一社会化期が特に重要とされています。
この第一社会化期においては、まず少なくとも8週齢まで親元に置いておくことが肝要で、兄弟犬と触れ合うことで犬同士のコミュニケーション能力を身につけたり、親犬から適度に叱られることでメンタル面を強くしたり、痛みを知るという感覚を身につける等、大切な時期なのだそうです。
そして、この時期は子犬自身もまだ好奇心が旺盛で恐怖心をも上回るため、色々なモノや環境に慣れ親しむようにさせることが大切。家族以外の犬や人間、その他の動物、車やバイクの音、自転車、掃除機の音など、今後一緒に生活する上で経験するであろうモノや環境にたくさん慣れさせておくことが肝心です。先生のお話では、生後3ヶ月までに100人100頭の犬と楽しい思い出を作るのが理想とのことでしたが、なかなか難しい課題かもしれません。
こうした第一社会化期の重要性も、日本では2つの問題点があって見過ごされてしまっているのが現状です。1つ目は、8週齢に満たない子犬が親元を離れてペットショップに売られてしまうこと。これには日本の法律やペット業界にも問題があり、海外では8週齢に満たない子犬が親元から離れないように法律で守られています。
2つ目は、3回目のワクチン接種を済ませないと外に出せないと獣医師から指導されるという問題。現状では3回目のワクチン接種を済ませた時にはすでに第一社会化期を過ぎてしまっていて、適切な社会化の時期を逃してしまうということになります。
このことから、子犬を迎える時にはペットショップではなくブリーダー(健全なブリーダー)から選ぶこと、2回目のワクチン接種後から子犬を外に出して色々なものに慣らしていくことが大切だということです。ただし、まだ3回目のワクチン接種が残っているため、外へ出す際には場所や相手を制限することも必要とのことです。
ちなみに、我が家のチャッピーとクロエはどちらもペットショップ出身です。なおかつ、3回目のワクチン接種後に散歩デビューをしました。ですから、チャッピーもクロエも筋金入りの社会化不足ということになりますね。
先生のお話では、我が家のようなペットショップ出身の犬であっても、社会化不足を解消できるとのことでした。ただし、子犬の頃からきちんと社会化の訓練を受けた犬にはどうしても及ばないとのことでした。
つづいて、生後4ヶ月から1歳くらいまでが第二社会化期。この第二社会化期は、その前提として第一社会化期での社会化の下地と継続が大切とのことでした。第二社会化期に入ったら、飼い主とのコミュニケーションも増やして、トレーニングも始められる段階になります。また、3回目のワクチン接種も済んでいることから、行動範囲を広げて、より多くの環境に触れさせることができるようになります。
一方で、この社会化期の期間には、恐怖期という期間も存在します。第一恐怖期は生後8週齢から9週齢までの2週間。そして、第二恐怖期が生後4ヶ月から1歳2ヶ月までのあいだの3週間だそうです。先生の飼い犬の場合ですと、ある日突然に先生の声かけを無視するようになったそうで、その時に恐怖期が来たと分かったそうです。
恐怖期に入ると、今まで気にしていなかったことにも敏感に反応するようになるそうで、先生の飼い犬の場合は散歩時にすれ違う老人の杖に敏感に反応するようになったそうです。
恐怖期で気をつけないといけないのは、一回の恐怖体験が一生のトラウマになってしまうこと。今まで気にしていなかったものに敏感に反応するようになったら、飼い主が注意を払って回避するようにしてあげるしかないようです。
恐怖期は人間の思春期と同じで、飼い主の言うことを聞かなくなるそうですが、それでも可能な範囲でコミュニケーションをとり続けることが大切とのことでした。
第二章 犬のしつけのアレコレ
<ケージは必要か?>
そもそもケージは犬を閉じ込めたり、行動範囲を制限(5分程度の抑制はアリ)させるために使用するものではなく、食事の場所、水飲み場、ベッドを置く場所などで使用するのが良いとのこと。
我が家の場合、以前はケージの中にトイレを置いてましたが、前回のセミナー以降はケージの外に置くようにしました。水飲み場とベッドはケージの中に設置し、普段はケージの扉を開けたままにして自由に出入りできるようにしてあります。
留守番の時は「ハウス」というコマンドでケージに入ってもらうルールになっています。チャッピーの場合は、飼い主が出かける支度をしている時に、自ら察してケージに入ることもあります。
第二章 犬のしつけのアレコレ
<姿勢を強制するのはアリ?>
つづいて、犬のしつけにおいて強制は禁物というお話。犬に何かを学習させるために体を押さえつけたり、叩く蹴るなどの痛みを与えたりすることは、信頼関係の悪化、攻撃性や不安の増加へと繋がってしまいます。痛みを与えること(罰)によって行動は変えられないことは、数十年前のマウスを使った実験ですでに証明されているそうで、それでも罰による躾けが一部で続けられている現状は残念に思いました。
また、「リラックスポーズ」という犬を仰向けにさせる行為ですが、これも実際には犬はリラックスしておらず、抵抗しても無駄なので諦めている状態になっているだけとのことでした。(学習性無力感)
数年前にヴィベケ・リーセ先生の講演で言われていた「愛と理解、そして敬意をもって接しましょう。決して怒鳴ったり叩いたりしないこと。」という言葉に尽きます。
第二章 犬のしつけのアレコレ
<支配?服従?低QOLの狼から得られた主従関係の理屈>
かつてはオオカミの支配性理論が正しいという前提で、それを犬にも当てはめて躾けや訓練がなされていましたが、今ではその支配性理論も否定されており、これまで正しいとされてきた犬に対する接し方の多くが間違いであったと見直されるようになってきました。
例えば、ソファに上げない、食事や玄関の出入りは飼い主が先、給餌直前のマテなど、飼い主がボスだと分からせようとする行為や、ケージに閉じ込める、怖がらせたり痛みを与えて行動を抑制する行為は、逆に問題行動を引き起こしかねないものとなります。
第三章 日常のアレコレ
<留守番は何時間まで?>
犬はもともと群れを形成して暮らす動物なので留守番が苦手。そのため、欧州などでは法律で留守番は5~6時間まで定められているそうです。
だからといって、べったりと過保護にするのも分離不安を招くことになりかねないため、犬と飼い主との間である程度の距離感を保ち、自立心を育てることが大切。日常生活においては、どうしても留守番させることもあるので、犬のためにも留守番の練習は必要になります。留守番の前に散歩をしたり、一緒に遊んだりして発散させておくのも良いかなと思いました。
第三章 日常のアレコレ
<散歩はどれくらい行くべきか>
まず知っておくことは、散歩の必要がない犬はいないということ。どんな犬種であっても散歩は必要で、トイプードルなどの小型犬は散歩の必要がないとペットショップが売り文句で言うようなことは信用しない。むしろ小型犬の方が散歩は多く必要になるそうです。(多動性)
犬にとって散歩というのは縄張りの点検と狩りが目的ですが、それだけでなく肉体的な健康維持や精神的な健康(ストレス軽減、情緒の安定)を維持するためにも必要なことだそうです。
また、犬は薄明薄暮性の動物のため、朝方と夕方に交感神経が優位になるそうです。そのため、朝夕に散歩をすることで欲求不満が解消され、匂いを嗅いだりマーキングをして縄張りの点検をすることで、不安を取り除くという効果もあります。
第三章 日常のアレコレ
<散歩の重要性と散歩の道具>
散歩の重要性について、さらに説明がありました。散歩は飼い主とともに活動することになるので、信頼関係が強化されるということ。また、散歩によってコミュニケーションの頻度、スキルも上がり、社会化の継続にもなります。
散歩の道具について。まず首輪よりハーネスの方が犬の身体にとっても安全。首輪にする場合はチョークカラーなどは厳禁で、フラットなベルトタイプの方が良いそうです。現在ではトレーニングにおいても首輪を利用する必要もないそうなので、犬の負担を考えてもハーネスの方がオススメだそうです。
リードは長さが1.5~2mくらいが望ましく、公園など広いスペースで走り回れるようにロングリードもあると良いそうです。伸縮性のリードは壊れやすいものが多いそうなので、しっかりしたメーカーのもの選ぶと良いそうです。
そして、先生オススメのハーネスとリードを紹介していただきました。ハーネスの方は背中と胸の2か所にリードを取り付けられるもので、胸側にリードを取り付けた場合は引っ張り防止の効果もあるもの。
我が家の場合は、チャッピーがペットドッグで気管虚脱を指摘された時から、ずっとハーネスを使用していますが、クロエも散歩中に強く引っ張る時があるので、先生オススメのハーネスに変更しています。
第四章 犬の成長と社会化
<病院やトリミングサロンに慣らす時期>
犬の成長と社会化については、犬の成長の過程を「新生子期、移行期、社会化期、若齢期、思春期」に分けて、各成長過程における発育の状態とその時期に経験することについて詳しく説明していただきました。思春期の時期には、人間と同じように反抗期があるとのこと。反抗期の時はあまり厳しいトレーニングはしない方がよく、飼い主の側が辛抱強く接することが大切だそうです。
また、トリミングサロンや病院などは犬の健康維持や病気怪我のためにも必要なので、通うのが嫌いになったり攻撃的になったりしないように、生後8週齢あたりから慣らしておくと良いそうです。
第四章 犬の成長と社会化
<避妊去勢の時期>
欧州ではあまり避妊去勢の手術をしないそうですが、日本では9割以上が手術しているのが現状。避妊去勢は絶対に必要というわけではないそうですが、手術するならば成長が終わるまで待った方が良く、早期の手術はリスクが多いとのこと。
小型犬の場合は1歳4ヶ月を過ぎてからが望ましいとのことでしたが、我が家のチャッピーとクロエは生後6か月で手術したので、もっと早く知っていればと後悔しました。
避妊去勢のメリットとデメリットについて比較した資料を見せていただき、日本と海外の獣医師の意見の違いを教えていただきました。特にデメリットについての海外の獣医師の意見がとても厳しく、犬に関わる様々な業界(繁殖業者、生体販売業者、保護団体、獣医師など)が海外に比べて日本はいかに遅れているかを痛感しました。
第四章 犬の成長と社会化
<ハズバンダリートレーニング>
ハズバンダリートレーニングについてのお話。ハズバンダリートレーニングというのは、応用行動分析学に基づいて考えられた訓練のひとつで、全ての脊椎動物に有効なため、主に動物園などの獣医療で活用されているそうです。動物園のキリンを例にした説明もしていただきました。
訓練の方法としては、応用行動分析学の系統的脱感作法と拮抗条件づけを組み合わせて行ないます。系統的脱感作法は、弱い刺激から徐々に慣らしていく方法で、以前のセミナーでは昆虫のクモが苦手な人に対して、オモチャのクモから、死んだクモ、生きたクモへと徐々に慣れさせていった例を使って説明していただきました。
拮抗条件づけは、すでに罰となっている刺激(悪い経験)に対して報酬を与え、回数を重ねることで良い経験へと変えて、刺激に対する反応を弱めていく方法です。
実演と質疑応答
このあと、ハズバンダリートレーニングの実演がありました。先生からチャッピーにご指名がかかり、ブラッシングに慣れさせるための実演をしていただきました。
最初は触れるか触れないか程度にそっとブラシを当てて、すぐにオヤツを与え、徐々にブラシの当て方を強めながら(系統的脱感作)、それに合わせてオヤツもタイミングよく与える(拮抗条件づけ)という作業の繰り返し。
ブラシを当てる箇所も、最初は首の後ろから、次に頭や耳、そして前足の足先、といったように変化させていき、最初はブラシに少し警戒していたチャッピーが徐々に慣れていく様子が見られました。
最後に質疑応答。出席者から事前に出されていた質問に対して、先生がその場て答えられていました。その中で散歩中に他犬に興奮してしまうという質問があり、我が家も参考になりました。
前回と同じテーマのセミナーだったので大筋の内容は同じでしたが、前回をふまえて改善してきた部分もあったので、あらためて我が家も自分自身を見つめ直すことができました。
バンクフィールド プラスドッグ(bankfield+dog)
住所 茨城県筑西市小栗5893
電話番号 0296-56-9272
営業時間 要確認(HP等)
定休日 金曜日(祝日は営業)
※掲載時の情報のため、各自ホームページや電話にて最新情報を確認してください。
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